私たちは岩手県大船渡市でアワビの養殖・加工に取り組む「元正榮北日本水産㈱」「野村海産㈱」「(有)田村蓄養場」です。それぞれ長年にわたり、三陸の豊かな海で育ったアワビを活かし、商品化に向け取り組んでいます。身の締まりと深い旨味が特長の三陸アワビを、全国の皆さまに届けたいという想いで、品質にこだわり、ひとつひとつ丁寧に仕上げています。

これまでの復興への取り組み

元正榮北日本水産株式会社(あわび陸上養殖)
被害と背景

2025年2月26日に大船渡市で発生した大規模林野火災により、資材置き場や海水くみ上げ用ポンプなどが焼失し、停電により養殖中だった約250万個のあわびがほぼ全滅し、被害額は5~6億円に上る甚大な被害となりました
過去には2011年の東日本大震災による津波でも施設が全壊し、約10年かけて復興を遂げた経緯があります

復興への主な取り組み
クラウドファンディングを2025年3月26日~6月24日に実施し、目標金額は5,000万円。集めた資金は、汚水処理設備、ポンプの修繕、資材置き場の再建など、養殖再開に向けた基盤整備に充当

あわび加工品・アクセサリーの販売:
「あわびの宝石箱」(缶詰)や、稚貝の貝殻を用いたアクセサリー「三陸翡翠あわび×iriser -awase-」を銀座のいわて銀河プラザで開催の復興応援展示即売会に出展

また、盛岡市の百貨店「カワトク」にて、被災したあわびの貝殻を活用したアクセサリー販売会も開催

地域連携の取り組み
障がい者就労支援団体「かたつむり(就労継続支援B型)」と連携し、水槽清掃作業を受託。利用者の中から正社員採用も生まれるなど、地域福祉にも貢献

  1. 野村海産株式会社(干しあわび・加工品)
    概要

天然エゾ鮑を素材に、保存料・着色料を一切使用せず手作りで干しあわびなどを中心とした商品を開発・製造。加工品には「あわびの精(肝醤油)」「あわびの粕漬」「焼きあわび」などがあり、農林水産大臣賞や審査員特別賞を受賞した実績もあります

復興・地域活性化への貢献

復興庁「新ハンズオン支援事業」において、大船渡商工会議所が進めるアワビブランド化支援に参画。田村蓄養場や元正榮北日本水産とともに、「鮑=大船渡」の地域ブランド確立や料理開発、歴史・文化の発信、地元高校との連携による鮑料理開発など、多彩な活動に取り組んでいます

  1. 有限会社田村蓄養場(三陸営業所)
    概要

三陸産天然あわび(エゾあわび)を蓄養し、通年で新鮮な商品を提供している事業者です

復興への姿勢
山林火災により被災した地域内にありながら、同社自体は直接的な被害を受けていません。しかし、被災した同業者の復興支援を念頭に、三陸産あわびの品質を全国に発信し、地域の活力支援につながるよう、公式サイトやオンラインショップを2025年5月に開設しました

つまり、事業継続や発信を通じて地域経済の下支えをする姿勢が示されています。

まとめ
企業名 主な取り組み
元正榮北日本水産 クラウドファンディング、加工品・アクセサリー販売、地域福祉連携
野村海産 商品開発・受賞、地域ブランド化への参画、文化発信活動
田村蓄養場 自社の継続運営・情報発信による地域支援

3社とも、震災や山林火災の経験を乗り越える中で、それぞれの強みを活かして復興に向けた取り組みを進めています。「鮑=大船渡」というブランド形成の推進、地域経済と文化の両面での活性化に共通の方向性があることが特徴です。


産地のイチオシ商品

エゾあわびの加工品


これからチャレンジしたいこと

①海外のインバウンド需要を見越して、海外への営業の強化
②大船渡市に来れないと食べられない、商品等の開発


メッセージ

2011年3月11日に発生した東日本大震災、2025年2月26日に発生した大船渡市大規模林野火災の被害から復興に向け取り組んでいる、エゾあわび関連事業者3社の商品紹介と取り組みについて